晴耕雨読

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忘れてしまうから残す

0528 一人暮らしを初めて半年

初めて今住んでいる部屋に足を踏み入れた時のことは正直あまり覚えていない。去年の年末に色々な諸事情によって(あるいは自分の希望としても出たかったので半強制的にという形で)祖母の家を出なくてはいけなくなり、母の知り合いから少しだけ安く借りられる今の部屋にわたしは引越しをした。引越しと重々しく言っても家具をよっこらよっこらたくさん運んだわけではなく、祖母の家で使っていた兄のお古の布団とニトリで買ったカラーボックス、そして同じくニトリで買ったカーペットだけを部屋に運び入れた、ただそれだけである。だからか、と言うと嘘のような気もするが、どういう感情だったのか、12月の何日に初めてこの部屋で寝たのか、まったくもって思い出せない。もしかすると『いつかひとり暮らしをするんだ!』という夢はとてもちっぽけだったのかもしれないなと今になってはすごく思うし、カウントダウンライブで年明けも部屋を空けてしまったことも影響しているのかもしれない、とも思ったりする。


今日は5月28日。つまりこの部屋に住み始めてだいたい半年が経ったことになる。あっという間だったとはあまり思わないが、母が設定していた「とりあえず半年住んでみたら?」という半年の期限がこんなタイミングでやってくるとはさすがに思ってもみなかった。しかしちゃっかり次に住む部屋の希望を考えたりもする。でもさすがにほんとうにこの時期に引越しなんてものができるのかが分からない。いや、できるのだ、別に。不動産屋もやっているだろうし、(まあこんな時期だし仕方ないよね……)とかなんとか言って部屋の家賃等が爆上がりするわけでもないだろうから。洗濯機を買う予定が今のところはないからコインランドリーが近くにあったらいいけど、と、そう書き終えたところで400円で回していた乾燥機の止まる音が聞こえてくる。地元を離れる、この20数年間暮らしてきた場所では無いところで暮らすというのはどういうことなんだろう。知らない土地や知らない人に囲まれて生活するならそれは、きっと楽しい事ばかりではないはずだよな。そんなことをぼんやりと思いながら、腰を上げてコーヒーを飲み干した。100円で買ったこのよく分からない微糖も、わたしは特に不味いとは感じない。



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