晴耕雨読

晴耕雨読

忘れてしまうから残す

0330

手探りでスマホを探して時間を見る。8時40分。酒に飲んだくれて先輩の家に泊まるのはこれで2度目で、暑さで首には汗がじとっとほんの少し残っていた。酒はほとんど抜けている。ただ、かなり眠い。


生活感のあるその部屋には作家である先輩の仕事用具やいつかの機会に書いたであろうイラストが貼られていたり、置かれていたり、吊るされていたりしていて、自分にとって居心地がいいというのはきっとこういう部屋なんだろうなとボーッとしながら考えたりする。一人暮らしをするならこれくらいごちゃついた部屋に住んだ方がいいんだろうな、自分も。なんて思いながら自分の部屋を頭に浮かべてみてもどう考えたって正反対で、でも別にいい部屋だから、あれはあれでシンプルで、なんて誰にでもなく言い訳をする。


先輩の部屋を出て外に出たら、当たり前だが、明るくてまぶしい。二度目の朝帰りだなとぼんやり思った。吉澤嘉代子の『残ってる』をちょっとだけ聞いて帰路に着く。浮かれたワンピースなんて着ちゃいないのだけれど。