晴耕雨読

晴耕雨読

忘れてしまうから残す

1017

10月17日木曜日。朝、起きると思いのほか寒くて湯の入った風呂を追い炊きする。9時頃に仕事に出かけていったばあちゃんも同じように思って朝風呂したのだろうか、湯船をちょいと触るよりも前にあったかい湯気を感じて、あー秋っていうか冬っていうか、と思いながら5分ほどタイマーを回した。今日は11時半に心斎橋でパンケーキを食べる、というまさに女子女子な遊びを高校時代の友人とする予定で、11時にならない迄に家を出た。前髪がうまく決まった。SHISHAMOだったか、たしかそういう歌を歌っていたようなと思い出す。なんとも気分がいい。


久しぶりに会った友人、安達ことあだっちゃんは、彼女はなにも変わっていなかった。とてもオシャレになっていて、というかもともとオシャレだろうな、オシャレ女子になるんだろうなとはなんとなく思っていたけどかわいいセットアップなんか着ちゃってとにかく可愛かった。3、4年会っていないと言われてつい驚く。月日が経つのは早い。「大人になったなあ」という会話をしながら、自分はほんとうに大人になったんだろうかと心の中でこっそり呟いていた。パンケーキを食べ切るまでその会っていなかったブランク分、緊張していたように思った。パンケーキは4枚でも重かった。歳をとったなと思った。そんな話もした。過去より未来の話の方が多かったのは、お互いどうやら未来には不安しかないらしいということからだったんだろうか。いや、人間はみんなそうなのかもしれないけどそんなことどうだっていい。なぜか深いところまでつい話してしまってカラオケブースで泣きそうになったりした。あ、コイツ泣きそうだな、とは思われたくなかったけどかといって取り繕うようなこともあまりできなかった。夜は映画を見る。どん底に突き落とされるような、そんな感じがした。セットした髪をぐしゃぐしゃと、わざとぐしゃぐしゃとしながらその建物を後にする。映画はよかった。ただ、自分と重なり合うところがあるなと思ってしまって、そう思ってしまうことが胸糞悪かった。その帰り道はイヤフォンから大音量で音楽を鳴らしながら心斎橋の商店街を歩いていて、そしたらキャッチのお兄さんがしつこく何かを話しかけてきた。大音量、むしろほぼマックスの音量なので彼が何を言っているかも分からないし最初はめんどくさかったので適当にあしらっていた。それなのにしばらくしつこく隣を歩かれる。そのしつこさに少し笑いながらイヤフォンを外すとまあやっぱりキャッチだ。「酒飲みました?飲み行きません?今から」少し揺れたがやはりあしらう。酒が飲みたいなと思った。あのお兄さんと飲むなら別によかったかもなとほんの少しだけ思った。今日は色んなことがありすぎて書いても書いても足りない気がする。



深夜に聞いたラジオで「飯はぜったい誰かと食べる」という話をしているのを聞いて、なんとなくハッとした。「一人で食べても美味しくないじゃないすか」ひとり飯がわりと普段から多い私はばっさりそう言い放たれてしまって少しウッとなる。ウッとなったけれど、まあ誰かを誘って食べてみるのもいいもんかもしれないな確かに、とも頭の片隅の方で少しだけ思った。それは今日のパンケーキ会もそうだし、ついこの間急に「餃子食べに行こう」と誘ってくれた地元の友人もそうだと思う。誰かと食べる飯はうまい。一人で食べても美味しくないわけではなくない?美味しいもんは美味しくない?とは思うものの誰かと食べる飯はそりゃうまいと思った。お腹がグウグウうるさかったので映画を見る前に入った大阪王将で食べた炒飯と酢豚のセットを思い出す。あれは美味しかった。でも確かに目の前に誰かがいて、その誰かはラーメンだか餃子だとかを食べていて、とそう思うと美味しさは倍増するのかなと思った。王将はいかんせんいつだって美味しい。その店舗の店員の雰囲気もよかった。ウクライナイスラエルから来たお姉さんが「泣かないねえ、強いねえ」とおじいちゃん店員に褒められて、笑っていた。その笑顔もまたよかった。ここはまた来ようと心のなかでそっと決めた。誰かと来るのもいいが、やはり自分はひとり飯をする方がこの先も多いんだろうなとなんとなく思った。



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