晴耕雨読

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忘れてしまうから残す

初めての二日酔いは思っていたよりも気持ち悪くて最悪だった

「初めての二日酔いのこと、記録しなよ」とそういえば誰かに言われたことを思い出して、もうだいぶ前のその日のことを書き記してみる。記憶はたぶん、いいように書き換えられてるかもしれないけどあれは相当な気持ち悪さだった。思っていたよりも最悪だった。


7月15日月曜日の夜、バイト先の人達が私の送迎会を開いてくれるということで店で何杯か(記憶の上では2杯分入るメガジョッキハイボールを1杯と、多分もう1杯くらい)飲んでから、いい感じの、私も何度か連れていってもらったことのある海辺のバーへゾロゾロと向かった。そこの唐揚げが私は大好きで、それを食べながらもしかたなくそれしか飲むことが出来ないからハイボールを喉に流し込む。

ハイボールしか飲むことができないからハイボールを飲むけど、そんなにハイボールって美味しいと思わなくて、でもハイボールしか飲めないから「ハイボールお願いします」と言うしかない。

それを5、6回繰り返したのかな。ぐるぐるフラフラした頭のまま、私はタクシーへ放り込まれた。何時くらいに着いたんだろうね、と後日友人に聞くと、結構早めの解散だったらしく、日付はぜんぜん超えていなかったらしい。私は時間もほぼ見ずにベットに転がり込み、眠った。宿は相変わらず静かだった。そういえばタクシーから降りてから宿までの間で、電柱にぶつかった気がする。痛かったか痛くなかったかはまったく覚えていない。アーぶつかった、酔ってんな~と思ったことだけは覚えているけれど。


問題はその翌日。7月16日火曜日の朝、初めての二日酔いを経験した。とにかく気持ち悪くて、目が覚めて立ち上がった瞬間にもまだ酔いがぜんぜん残っていてフラフラで、でも起きなくちゃいけなかったから必死に体を起こした。

気持ち悪い、気持ち悪い、吐きそう、吐きたくない、歩きたくない、寝っ転がっていたい、気持ち悪い、しんどい、気持ち悪い。

鏡を見る余裕もないまま、精一杯楽そうな、簡単そうな服を選んでシャワーを浴びた。シャワーを浴びると途端に楽になってそれはかなりびっくりした。どこかで聞いたことがあった気がしたけれど、ほんとにシャワーを浴びるだけでこんなに楽になるんだなって、シャワーを浴びてよかったなと思った。そのあともしばらく吐き気は続いた。台に手をついて一呼吸置く。それから動く。を続けた。なんとか朝の仕事をこなす。吐きはしなかった。もうしばらくお酒はいらないかもしれないと思った。でもそれだけ飲めるのもきっとバイト先の人達とだからだろうなと思った。あんな場はこの先早々現れないだろうなと。


午後にはだいぶ楽になったけれど、それはたぶん、友人と遊びに行く計画が前からあった日だったからだと思う。その友人と遊びたいがために無理やりにでも体を鼓舞させて、回復へと導いていた。そんな感じがする。病は気から。友人と遊びたい、遊びたいからもっと回復しろ、と念じていたから回復した。そうじゃなかったらバタンキューだったはずだろう。友人とハンバーグを思いっきり食べて、「二日酔いとか言っときながら食べすぎでしょ(笑)」と笑われた。一緒に遊びたかったから気合いで直したんだよ、とはなんとなく言わなかった。



初めての二日酔いは思っていたよりも最悪だった。経験してみないと分からないとはよく言うけれど、ほんとにそうなんだなと二日酔いに関しては思った。まあでも、たぶんもうこんなにバカスカ飲むことはないだろう。あの場だからこそ、あのバイト先の人達と飲んでいたからこそ、ああなってしまった。ああなるしかなかった。あの日のあの空間、刹那的な、もうこれから訪れることはないであろう、あの時間。初めてはもうこない。次の二日酔いもまた、2回目の二日酔いもまた、その日だけの思い出になるんだろう。




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