晴耕雨読

晴耕雨読

忘れてしまうから残す

0705 平塚

7月5日金曜日、思ってたよりも曇りで、曇りっていうよりも晴れ間もあって、あーまた洗濯物を干すタイミングを見逃したなと朝から反省をする。
でもこうやって自分の分だけを自分のタイミングで干すことができてるいるこの感じは実家では味わえなかった。だから未だにしみじみ嬉しさを感じていたりする。
洗濯物をまとめて、洗濯機にほうりこんで。洗剤を入れてボタンを押して、そしたら洗濯機が「洗ってるぞ~」と言わんばかりの音をガラガラ鳴らして私はそれを少しだけ聞いてその場を後にする。その瞬間が未だに好きだ。どれだけ実家にいるのが心苦しかったんだろう。

今日で、10、11、12、1、2、3、4、5、6、7ということは数えて見ると10ヶ月が過ぎて11ヶ月目に入るらしい。おめでとう、祝11ヶ月。
私はどうも数字に弱いらしいので、いちいちこうやって数えないとすっきり分からない。
今日も紙にわざわざ「175 160」とかいう漢字の数字を書いてきっちり計算をしていたら笑われた。
念には念を押すタイプ、と断言できはしないくらい普段は適当なのだけれど。

つらつら文章を久々に書いているこの時間、私は電車に揺られている。
行先は平塚。
少し乗り換えのミスと電車の遅延があったために横浜、戸塚、大船、と2回も乗り換えをするはめになった。
めんどくさいなと思ったは思ったが、行き先方向と真逆の電車に乗らない限りちゃんと目的地に連れていってくれるから電車は便利だなと思う。
行先は平塚。平塚。平塚。
あともう少しで着く。
平塚に着いたら「こいよ」と突然言い出した友人と合致する予定で、だが、果たしてちゃんと会えるのかがよく分からない。
よくわからないな、大丈夫だろうか、と考えている間にも電車はしっかりと私を平塚まで乗せて行く。
乗せて走っていく。
なんとなく平塚で降りる人は何人なんだろうと予想してみる。
6人、いや、8人、いや、6人だろうか。
結局数えなかったので正解は分からなかった。

平塚に着いた。
ゴミ箱をやっと見つけたのでタピオカがまだ二、三粒残っているカップを捨てる。
チャージをしなくちゃいけなかったので忘れずにする。
「こいよ」
と送ってきた人に
「着いたんですけど」
とメッセージを送る。返信が無い。
「21時20分発のやつには乗らないと間に合わないんですけど」
と送る。返信は、ない。
とりあえず駅を出る。
うわー人が多い。
七夕祭りを今日から数日間やっているらしいということで私もそれで呼ばれたのだけれど、終わりのチャイムが鳴ってしまっている。
いや終わりやん。終わってもうとるやん。
まあそれはいいとして、果たして連絡をしてきた人とは会えるのか。
お腹が減ったからすき家に入りたい。
もしくはガストでもいいや。
ギュルギュルとお腹がなる。
姿勢をキュッととりあえず正してみる。

21時00分。
イムリミットまであと20分。
未だに返信はない。
まあ20分もある。気長に待つ。

21時10分。返事が来た。
「とりあえず合致」
「合致?どっち」
「ふつうにバス乗り場の方」
「今ららぽーとおるねん」
ららぽーとららぽーと
ちょっとどこにあるかが分からないが会えないのであろうことは瞬時に、そして容易に想像がついた。
ああそう、どう考えてもはなっから会える感じではなかったんだな。そうか、そうだったのか。
まあねえ…

っていやいやいや。いやいやいや!
え?どうしてくれるんだよ、このやり場のない感情は?
まあ適当にふらふら来てしまった自分も自分だし適当に「こいよ」と言ってきたそっちもそっちだし、どうしてくれるもなにもって感じなんだろうけど…。
こういう時に無性に冷静になってる自分に自分でびっくりしていたりもする。
まあそうだな、もうウダウダ言ったってどうにもならないし諦めるしかないんだよな、そうね、仕方ないね、と天使の私が言っていて、自分にも非があることを認めさせようとしてくる。
こういうのは諦めが肝心、そう、諦めが肝心、と仏の顔でトンボ帰りをするため電車に乗り込んだ。
仕方なくだ。仕方なく帰るのだ。
仕方なく帰って、乗り換えに全力を尽くすのだ。
「ごめんなさい」
「また会う日まで」
許します。乗り換えも間に合ったので許す。私も君に怒りをぶつけそうになったので許しておくれ。喧嘩両成敗。甚平を来てる小さな男の子の地団駄がかわいい。そしてその男の子をあやすお姉ちゃんもかわいい。