晴耕雨読

晴耕雨読

忘れてしまうから残す

0909 たった3ヶ月ぶりに地元に帰って

帰りの夜行バス、深夜2時。急に悪夢に襲われた。座り心地が悪いのか夜行バスでは大概靴を脱ぐけど雨に濡れたし匂いが気になるので脱いでいないからなのか、おしりがやけに痛くて眠りが浅かったのも原因だと思う、完全に悪夢だった。しかも夜行バスの中だったし割とリアルな方の(悪夢あんま見ないから分かんないけど大体リアルだったらごめん)。でも、3度とも、ばあちゃんが助けてくれた。悪夢の中、隣に座っていたばあちゃんは数珠を持っていて、目を開きたいのにうなされていて開けなくなったわたしを3回も、悪夢から助け出してくれた。もちろん実際にばあちゃんは隣にはいない。ばあちゃん、わたしが横浜みやげで買っていった崎陽軒のシューマイを食べてくれているだろうか。ああいや、深夜2時だった。まだか。





たぶんおおよそ3ヶ月ぶりに実家のある大阪に帰った。なにかとちょこちょこ帰っているな、という気はするが、大体いつも「あー、やっぱり大阪に戻ってこようかな」という気持ちになる。もしまだ居候を続けているだけならもうすぐにでも戻りたいくらい、ホームシック?というよりは、未だに実家に囚われているのだけれど、もうそうもいかなくて、それがまた心苦しくて。もし、こっちで暮らして働いている間に家族やばあちゃんになにかあったら。もし、ばあちゃんなんか、入院してしまったりなんかしたら。生活はおろか、仕事どころではなくなる。それでもわたしはもう、関東にいて、関東で働いている。大阪まで最速でも1、2時間はかかる、関東で。




自由にやっているくせになにを囚われているんだろうな、と自分でも笑っている。誰かの死に目に会えなかったわけでもなしに、むしろ人はいつか死ぬということをよくよく分かっているのに、家族の誰かがそうなるのはひどく怖くて。それでも、よくよく考えなくたってもう25歳だし、実家にいるのも、ばあちゃんと住むのも、それはそれで違うような気もするし、と思うとほんの、ほーんの少しだけ気が和らぐ気がする。




「なんでもいいなさいや。住所でもなんでも送ってきて、ほしいもんあったら送るから。なんかあったら電話してきて」ちょっと顔だけ出そう、と行ったらばあちゃんはそう言ってくれた。ほしいもんなんてない。なんかあることもまったくない。なにもない。電話もたぶんしない。それでも、悪夢を救ってくれたばあちゃんは、本当に心の底からそう思って言ってくれたんだな、と、そう思って、夜行バスの中、ちょっとだけ泣いた。